何のための基準値なのか
汚染焼却灰の処理について、驚くべき『暫定基準値』が策定されるようです。
ただでさえ疑問視されるキロ当たり8,000ベクレルの汚染暫定基準を一気に10万ベクレルまで上げる、というものです。
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10万ベクレル以下の汚染焼却灰、埋め立て可 環境省 asahi.com
(http://www.asahi.com/national/update/0827/TKY201108270453.html)
環境省は27日、放射能で汚染されたがれきなどの焼却灰について、一般の最終処分場に埋め立て処分するための新たな指針案を明らかにした。地下水への流出を防ぐなどの措置を取れば、灰に含まれる放射性セシウムが1キロ当たり10万ベクレル以下なら可能とする。今年6月に示した暫定基準値(8千ベクレル以下)を見直す。
新指針では、8千ベクレル超~10万ベクレル以下の焼却灰を埋め立て処分する場合、(1)セメントで固める(2)耐久性のある容器に入れる(3)隔離層を設けて水の浸入を防止(4)施設に屋根を付ける、などの方法で放射性物質の流出を防ぐことを求めた。
この日開かれた環境省の専門家会議では「より安全を期すために、四つの処理法を組み合わせるべきだ」などの意見が出た。詳細を詰めた上で、近く自治体に通知する。10万ベクレルを超える焼却灰の処理方法については、引き続き検討する。
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先日、福島のごみ焼却場で95,300ベクレルの汚染灰が観測されました。
でも、上記基準値であれば、この汚染された焼却灰は埋め立てに用いることができるわけです。
半減期30年弱のセシウムも、半世紀以上にわたって汚染の影響を与え続けます。仮に、西暦5万年を超えても影響を放ち続けるプルトニウムが混ざっていたとしても、埋め立てられるわけです。
いったい何のための基準値なのでしょうか。都合よく数字を増やせる基準値に意味はあるとは思えません。
今の行政は、将来に大きなつけを回しているだけとしか思えません。
そこかしこに、人体への影響が懸念され、いずれ崩れたり、風でチリが巻きあがったり、自然に流れだす恐れが多い汚染された埋め立て地を作るのではなく、福島第一原発に集中的に集めて未来永劫数万年にわたり管理すべきではないのでしょうか?