週末に、飼っていたカブトムシで最後まで生き残っていた個体が★になった。
7月末、3匹のオスが小さい虫カゴに入ってやってきた。
大きな飼育ボックスを買い、ゼリーをあげ、時折、霧吹きで湿らす。
「日本のカブトムシはどんなに手を尽くしても、冬は越せないよ」
そう分かっていた。
でも、寒さをしのいでやろうと、飼育箱を段ボールに入れた。
11月まで生きれば、まあ大往生だろうか。
ここ10日くらい、日に日に弱っていくカブトムシを見て、お別れの時期が来たのがわかった。
それから毎日、飼育箱のふたを開けるのがなんだか怖かった。
いろいろなことがある年の、夏が終わった。冬が来るんだね。
★になってちからが抜けた亡骸を手に取りながら、
この小さな虫の記憶もどこかに大切にしまっておこうと思った。