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ちゃあとの別れ(2)

2000年のとき、自分が趣味で作っていたサイトに載せた、
ちゃあの紹介文です。
ちゃあの性格や、我が家にきた様子などが書かれています。

ちゃあは、私が14歳の10月10日に我が家にやってきた、
野良猫の子供です。青い空に白い雲が浮かぶ、秋晴れの日でした。

それ以来、私は人生の半分以上の約18年を、彼の存在と共に生きてきました。

トイレをしつけたこと、一緒に遊んだこと、彼の些細なしぐさや声、
怪我をして病院に連れて行ったこと、
一緒に寝たこと、食べ物をねだる彼の様子や、寝顔など、思い出は尽きません。

ちゃあは、人にベッタリ甘える猫ではありませんでした。
むしろ、ノラとしての気高さのようなものを持っていて、
賢く、手もかかりません。
普段はあまり、かまわれるのを好んでいませんでした。
でも、実は甘えベタな面があって、時々、決まり悪そうによっかかってきたり、
枕元で
「布団に入れて」
とせがむのが、またかわいいところでした。

+++

今腕の中で丸まって寝るオスネコ「ちゃあ」
お前はもうこの家にきて10年以上も
一緒に生きてきた老いぼれ雑種ネコ

chabuton

ある晴れた10月のことだった
小さな兄弟の中で安らぎ寝ていたお前は
人の手でひょっと持ち上げられ
ほんの偶然の選択で
紙袋に入れられた

CHA

「動物禁止」 の借家だったが     
紙袋をを覗き込む笑顔の顔々を
手のひらに乗るほどのお前は
怯えながら見上げていた 
 それからいくつもの季節が過ぎ
俺と一緒にいることの多かったお前は
気高く 人に媚びない
立派なネコになった
けして人の布団の中では寝なかったし
外で会った時だって
耳かしっぽで挨拶を返すだけ
美形の甘いマスクは
いつも自信がみなぎっていた

sleepcha 

そんなお前に弟と妹が出来た時
お前は悪いことをした弟を丸い肉球でたたいて叱り
淋しがる妹と一緒に寝てやり
風呂に入れられた弟妹が叫んだ時には
必死に風呂のドアの隙間から手を伸ばした

chapoo


お前を育てる家族より
はるかに早く成長するお前は
獲物を取ってきては
俺たちに「食べて良いよ」ってくれた
当然食べられはしなかったけど
御礼を言うと
お前は何て満ち足りて誇らしげな表情を
浮かべたことだろうか

  
 気高いお前は 
唯一俺に心を開いてくれたネコ
俺が失恋して落ち込んだ時
お前はひざの上でのどを鳴らして支えてくれた
俺に幸せが訪れてきたとき
お前は無条件にそれを受け入れてくれた
「やれやれ、手がかかるなあ」
なんて鼻でため息をつくお前だった
だから
お前の立派な牙が弱って抜け落ちた時
俺たちは一人と一匹
一緒に悲しみ
お前は俺のひざに丸まって寝ていた

chaasi
 
年老いだんだんと外に出ることがなくなり
お前は突然甘えるようになった
ひざにのぼり しきりに顔に擦り寄ろうとする
布団に入ってきては腕枕で気持ちよさそうに寝る
お前の長いしましましっぽ
心地よさそうに揺れている

cha1

これからいくつの季節が
俺とお前の生活に訪れるか
それは多くないことしかわからないが
「ちゃあ」よ
ひとつでも多くの季節を
ちょっとでも長い暖かさを
一緒に分かち合っていこう

(2000.12.23) 

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2008年07月27日 22:41に投稿されたエントリーのページです。

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