自分の最愛の右腕、15ポンドのストーム・パイロ。
常に、最高スコアを更新し続け、アベレージも高かった頼れる相棒。
その日、23時くらいにセンターを訪れた。
パイロで投げ始めて、6フレでストライクが5発。
幸先よさそうだ。
と思ったのだが。
投げ終わったボールが帰ってこない。
スタッフを呼ぶ。
スタッフがピンセッターの下を見るがない。
ボールリターンのレールのふたを全部開けてみるが、
どこにもない。
10分、15分。時間が過ぎる。場がなぞに包まれる。
周囲が、「イリュージョンだ、これはイリュージョンだ!」
と騒ぐ。
だとしたら、皆さん観覧料を払いなされ。ほれ、一人1000円だ。
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すると、
「ありました」
とスタッフがパイロを手に、まったく違うところから現れた。
いわく、
「ボールが裏に飛び出して機械に挟まっていた」
そんなことあるのか。
そして、彼の手にしたボールには、
直径にして3cmほど、深さにして5mmはゆうに超える穴が
えぐれていた。
それも、トラックラインの真上だった。
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ボールにとって、ましてや高回転の人のボールにとって、
トラックライン上の傷は、
即ちボールの死
を意味する。
初めて買ったまともなマイボールであるパイロは、確かに10ヶ月使っているし、
古い。小傷だって一杯だ。
しかし、このボールは実用性、愛着、ともに自分の中でずば抜けている。
もう一つ購入したい(けどもう売っていない)ボールである。
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センターのスタッフが修理を試みるという。
1週間ほどして出てきたボールは、傷のところをある程度きれいに磨いてあった。
しかし、転がすと
「ガロンガロンガロンガロン」
と音がして、曲がらない。
「使えないから、方法は任せるから、正円に戻して」
と頼む。
それから1週間ほどして再度提示。
全体も磨いてあるし、傷のところも丁寧に磨いてある。
stormの掘り込みの"S"が完全に消えている。それほど深い傷だった。
磨くのは時間がかかっただろう。
”トーム”?
投げてみる。
「ガロガロガロガロガロガロ」
前回よりは良いが、やはり、ボールの挙動はおかしかった。
結局、見た目にもわかるくらいの削りあと。
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ドリルレイアウトを変えて、トラックラインを変えようか?
もともと、真横回転の自分のトラックラインは特殊で、、通常のボールの
トラックラインとは大きく異なるから、通常のラインに戻す?
しかし、ボールの挙動が判らないし、それだけの手間隙をかけて、
また最前線で使えるようになるのか?
しかしとにかく、フィンガーホールをプラグしてくれるように依頼した。
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今日、ネットを見ていたら、日本未発売のストームのボールを
国内のショップが取り扱っているのを発見。個人輸入か。
そのボールはpyroの属する「ファイヤーライン」というシリーズの2世代後継、
「sure fire」だ。
pyroの一作あとの「スピットファイア」は切れ味がマイルドになったのに対し、
「sure fire」では若干切れ味が戻っているようだ。
(ちなみにpyroは激烈に切れる)
現在のストームでは、シフトSLTがもっとも切れるタイプのボールだが、
マスバイアスは、なんとなくうまく行かない気がする。
ということで、sure fireが近日登場する予定。
ドリルはセンターのほうが補償代わりに無償でしてくれる。
そして、愛すべきパイロは、引退させることにした。
ここのところの相性が最高に良かったし、パイロのフレグランスは
一番好きなものだけにショックだ。
(ストームのボールはにおいがする)
++++++
新しいボールは
15ポンド4オンスなのでちょっと軽い感じはするけど、楽しみだ。。。
しかし、サムレスに適したドリルレイアウトって、どんなだろう、
と相変わらず悩んでいる。ドリルの勉強をしよう。