私を含め放射線量計を入手した、いままで線量計などなじみのなかった人が増えてきたと思う。
そして、ウェブ上でも、その数値を報告している人が増えている。
これからも、放射線量計は普及していくだろう。
■線量計の数値=危険度ではない
ただ、線量計の数字を見るのは注意点もある。
たとえば、現在の時間当たりの線量が
0.15μSv/h(マイクロシーベルト毎時)
だったとする。
そうすると、その数値を24時間、365日恒常的に浴びていた場合の外部被ばく量は
0.15μSv × 24時間 × 365日 = 1314μSv = 1.314mSv(ミリシーベルト)
となり、法定の「自然被曝を除いた年間1mSv以下」の被曝基準を3割もオーバーしてしまうことになる。ここで考慮されているのは外部被曝だけであるから、内部被ばくを合わせるとかなりの基準オーバーが考えられる。
逆に言うと、外部被曝だけで考えた時、「自然被曝を除いた年間1mSv以下」を満たすための時間当たりの外部被ばく量はどれくらいになるのか?1mSvは1000μSvだから…
1000μSv ÷ 365日 ÷ 24時間 = 0.114μSv/h となる。
この数値だけを捉えると、先ほどの例でいう「0.15μ」(都心の路上でも珍しくない数字)は、
「法定の基準値をそれだけでかなりオーバーしてしまう」数値となる。
しかし、そうとらえるのはちょっと勇み足だといえる。
それは、
線量計には「自然被曝量」も併せた数字が出てくるから。
それをひいた数字を、通常よりも増えた空間線量としてみなくてはおかしいことになる。
■自然被曝量を仮定する
それでは、自然被曝量はどれくらいを見ればいいのか。
それは、私のような素人にとってはいろいろと情報収集をしてみたとしても
「はっきりしたことは言えない」
のが実情のような気がする。市町村等の自治体が、これまでの空間線量の測定結果を公表しておいてくれるといいのだが。
なので、既存で集められる資料からそれを参考にして行く必要がある。
ちなみに、放射能濃度についてよくまとめられているポータル的サイトな
http://atmc.jp/(全国の放射能濃度一覧)では、
東京都の通常の線量は『過去平常値:0.028~0.079μSv/h』となっている。
その中間値0.054をとる方法もあるかと考えた。
ただ、この数値で見ると、東京都の測定は地上約20mの、地面からの放射線を受けない条件での測定となっているため、数値としては望ましくない。
そこで、下記の方法で推測値を算出した。
(都内各所の放射線量は日本共産党都議団が測定し公表している
http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu5/2011/20110525195904_5.pdf
http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu5/2011/20110525195904_3.pdf)
※ちなみに2.4mSvという数字に注意です
いま、巷のニュースでは
「人は年間で2.4mSvの被曝をしているから、線量計の値をみるときは、それを差し引く必要がある」
という説明をしています。
だまされてはいけません。
2.4mSvは「世界平均」であって、日本の平均は「1.5mSv」、約1mSvも低いのです。
やれブラジルのどこの地域での年間10mSvも自然被曝している値も入っているのです。
色素の薄い白人が、赤道付近で生活をすると病気になるリスクがあるように、
その地域、人種によってさまざまな特徴があります。
2.4mSvをあえて出すということは、高い数値を出すことで、線量計に出ている数字から危機感を薄める錯覚を起こすものです。日本人の平均はあくまで1.5mSvであって、我々の体はそれに適応してきたのです。
だからこそ、上記での算出では構成比を参考にしているのです。
■各都道府県の目安
※上記と同じ考え方で、線量計を使う際に参考になりそうなリストになればと都道府県のものを作ってみました。
でも、あくまで素人の個人があり合わせの情報で作ったものです。内容の確実さを保証するものではありません。健康管理やリスク管理は、ご覧になった方の責任においてご判断ください。
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※後日追記
自然放射線量に関するサイトがありました。下記のサイトはデータも新しく、参考にできるものと思われます。
日本地質学会のHPに、各地の自然放射線量マップがありました
http://www.geosociety.jp/hazard/content0058.html#map
日本全国の海と陸の地球科学図データベース
http://www.gsj.jp/database/geochemmap/setumei/setumei-radiation.htm
こんなサイトもありました
「日本の環境放射能と放射線」