■NBとカメラ
自分はかつて写真少年で、小・中学生の時には
なけなしの貯金をはたいてニコンのF801なんぞを
購入し、写真を取り巻くっていた時期があった。
F801とコニカのTC-Xを二台持ち、35-70mmの標準ズーム
のほか、135mmの中望遠、タムロンの28mm、それに三脚など
しめて12kgの荷物をもっては自然やまちの風景を撮影していた。
鹿児島の出水平野に訪れる鶴の群れや、小笠原諸島にやってくる
ザトウクジラを撮影したのはシグマの400mmレンズ。
1/8000秒のシャッター速度を生かしつつ撮影した、
夕日を背景に飛行する鶴の群れを写した写真は、当初白黒で
新聞掲載予定だったのが、急遽コストのかかるカラー画像に
差し替えられ掲載された。
ザトウクジラのブリーチングを写した画像は、テレビでも紹介された。
ほかにも、カメラ雑誌などで何回か入選するなど、れっきとした
カメラ小僧だったのだ。
香港でカメラとそれまでの旅程を写したフィルム20本を盗られて
からだいぶ写真熱も冷め、今だったら絶対購入したくない
経団連会長の会社キャノンが出しているEOS55などを買ったものの、
デジカメが登場したことですっかり押入れの埃に。
以来、リコーDC-3、ファインピクス6800Z、リコーカプリオGX、
ルミックスLX3と着実にコンパクトデジカメライフを歩んできたのだ。
デジカメは、まちづくりの仕事をしている自分は仕事で必ず使う。
町なかを歩き回ったりするので、「運びやすい」「撮りやすい」
「広角」が一番重要なポイント。
でも、たまには趣味でも使いたいから、それなりの写りもほしい。
ということでコンデジはまさに最適で、今まではそれで
満足だったのだが…
なぜかリビングに鎮座ましますニコンD90
■NB、一眼がほしくなる
数年前、一度だけソニー(ミノルタ)のアルファ100の貸出機を
借りたことがある。
そのときの写りといえば、自分を十分満足させていたリコーGX
などは足の指先にも及ばぬもので、目からうろこが落ちたものだった。
それでも、やはりデジ1は重いし、仕事には基本的に使えないし、
そこまで大げさなものはいらないだろう、と思っていた。
しかし、最近、夜空の撮影にはまり始めたことがきっかけで、
デジ1への思いがあふれてきたというか。
コンデジのLX3はコンデジとしてかなりの性能を持っている
良い機種だと思う。家内のGX200とはまったく違う性格を持っていて、
絵作りがすごく楽だ。AF性能もマクロを除けば至極いい。
しかし、やはり、撮像素子、つまりセンサーの大きさはどうしようもない。
いくら、LX3がコンデジにしては大き目のセンサーを搭載し、
画素数を控えることによって画質のバランスをとっている名機とはいえ、
特に夜空の撮影などで捉える光には限界があった。
■機種選定
さて、いざ一眼を買うぞ、と決めてみても、目的、予算と性能の
兼ね合いというものから機種選定をせねばならない。
くどいようだけど、経団連会長の会社のキャノンははじめから除外。
カメラの性能も別に良いと思わないが、たとえ仮にそれが良いとしても、
そんな問題ではなく、除外なのだ。
そうすると、カメラメーカーも絞られてくる。
とはいえ、まじめに機種選定をするまでにはずいぶん変な理屈で
絞込みをするものだ。
そこそこ評判の良い機種があるオリンパス。
あ~、昔、嫌いだったやつがオリンパス使ってたな、はい、除外。
ミノルタ技術が息づくソニー。
ソニーか。ソニーに一眼のイメージがないから、カメラで撮影、
っていう雰囲気、気持ちにならないな、除外。
などなど、メーカーからすると言いがかりもはなはだしい。
+++
せっかく高い金を出して一眼を買うのだから、それなりに性能を
持っていて、やはりちゃんと写るものが良いな~、などと考えていた。
ただ、それだけを考えれば600万画素のニコンD40だって、実は
十分な性能なのだ。
でも、これって誰にもあると思うのだが、
「自分が所有したり、使うときに満足感や充足感を得られる商品グレード」
のものさしが、自分は”カメラに関しては”どちらかというとエントリーモデルよりは
中級機種にあった。
そして、機能的にはやはり作品を作りこもうと思えば、中級機種のほうが
選択肢が広がる機能もあるだろう。
自分の気持ちは、ニコンD90で突っ走り始めていた。
そんなおり、心を惑わす適切な助言が登場。
「NBさんは、ローアングルからのつくりが好きだから、
やっぱり
バリアングル液晶搭載機ではないですか?」
トリコロールツーリングの仲間からの提案だった。
確かにそうだ…。グランドレベルの視点からのある表現に
こだわる自分には、バリアングルは最適…。
そして、最終的に絞り込まれたのが、
・ニコンD90(定評ある中級機種)
・ニコンD5000(5月発売のバリアングル液晶搭載機)
・ルミックスGH-1
(フォーサーズサイズ機ではあるが、AFや動画の評価良し)
だった。
値段はどれも似たり寄ったり。
ただ、ルミックスGH-1については
「どうせ買うなら、中途半端なセンサーサイズのフォーサーズではなく、
センサーがより大きいAPS-C機にしたほうがいい」
(コンデジとの用途を明確に切り分けた使い方でいい)
ということからすぐにリストから外れた。
■D90か、D5000か
D5000は機種の性能としては、D90とおなじセンサーにAF機能は進化
しているので、祖の部分での問題はない。
視野率が低いことや、ボディ内モーター廃止による交換レンズ選択肢の
縮小などについては、視野率は場合によってはライブビューを使えば良いし、
レンズはそんなにたくさんレンズをそろえる気もないので乗り越えられるだろう。
D60とD90の中間機といわれるD5000に気持ちが傾き始めた。
液晶のスペックが妙に低いとはいえ、バリアングル液晶
は魅力的だ。
まだ発売前だったころなので、新宿のニコンショールームに行った。
まずはD90をいじる。
そして、D5000。
D5000に触れた瞬間、気持ちは決定したといってもいい。
「ホールドしづらい」
これがすべてだった。
D5000は機種幅が狭い代わりに高さと厚みがある。
厚みがあるグリップを握るのだが、グリップとレンズの間の
スペースが狭い。なので、自分の指はレンズのマウント近くに
引っかかったり、グリップとの間に挟まれた感触があり、指が
浮いた状態になってしまった。
バリアングル液晶だからこそ、ホールド感は重要だと思う。
でも、自分はD5000にそれは感じられなかった。
それと、やけにプラスチック感があるのもいただけない。
やはりバリアングルファインダーは便利だ。
ただ、ライブビューを使ってのAFはやっぱり遅い。
コンデジで日ごろライブビューでの早いAF撮影に慣れている身
としては、ストレスがたまる気がした。
ニコンショールームからの眺め(LX3)
■結論。
1.バリアングル液晶がなくても、今まで十分に撮影は
できてきたので、それが必要不可欠ではない
2.D5000のホールド感と質感は自分には合わない
3.もし、今後D90クラスの後継でバリアンがでれば、D90を
売り払ってその機種を購入する選択肢もある
ということで、D90をamazonでポチっとするにいたったのであります。
レンズは16-85mmF3.5-F5.6。
あれ、D5000ずいぶん安いな…
とりあえず手軽に・ごつくない一眼をつかいこみたい人はD60
動画性能にこだわるならルミックスGH1.外部マイクも使えます。