問題のすり替え
原発問題はとても深刻。
でも、世の中は非常時ではなく、平時の対応をしている。
毎日毎日、今から放射線を摂取しても、影響が出るころにはこの世にいないだろう
おじさん先生たちが「大丈夫、大丈夫」と言っていて、世の中もそれで不安をごまかそうとしている。
そもそも、自分の口に入るときに計測しない限り、大丈夫、なんて言えない。
チェルノブイリのあるウクライナでは家庭に放射線測定器が普及していると聞く。
それに、目先でどれを食べていい、だめ、とかそういう問題じゃない。
いますぐに、原発が破裂したり、格納容器の破損が大きくなって放射性物質が多く発散される危険があり、
仮にそうなったら、「一発でダメになる」という危険があるということに目を向けないといけない。
すでに
・格納容器の破損がある
・プルトニウムも漏出している
事実がある中で、
枝野官房長官、東電副社長は会見で
・収束の見込みは立てられない
・事態悪化しないと言えない
と明言しており、さらには政府の諮問機関である
原子力安全委員会委員長は
・対処能力を超えた
と明言している状況で、現場では作業も高放射線の影響でなかなか進まず、
命を賭して現場に立つ皆さんが何とか、なんとかかんとか対処療法をして
時間を稼いでくれている
状況なのだ。
そして、首都圏への影響としては、下記サイトをご覧いただけばわかる。
日野市の放射線測定 http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_index.html
原発事故前後の推移 http://park18.wakwak.com/~weather/geiger_archives.html
東京駅から西方40km以上の日野市においても、14日の原発爆発以降24時間で
かなりの放射線異常値を記録し、横濱でも降雨で放射線異常値が検知された22日からは、
常に通常よりも高い値で放射線は推移している。
つまり、これ以上のことがあれば確実に、おそらく24時間以内に東京都も深刻な影響を受けることは必至だ。その間に、どんなことができますか?パニックが起きるのに。
政府も、行政も無責任に「大丈夫」というから、
事前に行動しようとしている個人が制約された(たとえば、会社を休むことができない、保育園を休ませることができない、それゆえ疎開できない)状況にある。
「横並び好き」で「きっと大丈夫だと信じたい」「専門家が言えば大丈夫、何かあればあいつの責任」といった日本人らしい集団心理が発揮され、自立的に考え、行動しようとしている人間の行動がかなり抑制されているようだ。
非常時にはどうしようもない状況に陥ってから
「あの時ああしていればよかった」
ではなく、
「こうやって対策したけど、何事もなくてよかったね」
という結果の方が正しい。
実際、今回の津波から生還された高齢者の方がインタビューで応えていた。
「きっと大丈夫だろう、と思っていた人がみんなやられたが、自分はとにかく避難した」
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「危険はあるので、緊急性はないができる人は疎開をすることを始めてほしい、自治体、企業もそれを支援してほしい」
と、何故言えないのか?
そうやって疎開させておくことが、本当にいざという時の支援側の負担も、被害者の数も減らすことができるのに。国ができないなら、地方自治体がやらないといけない。
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そうそう、東村山浄水場エリアのわが日野市は、相変わらず役所は能天気だと思う。
東村山浄水場は、写真を見る限り貯水プールは露天むきだしだが、
「放射性物質測定はしていない」(朝霞、小作でやっているからという理屈)
ことを忘れてはいけない。