沖縄一人旅−ロードスターで350キロ爆走してきたぜぃ!−


ロードスターをレンタカーで借り、沖縄本島の北部の本部半島−北限(辺戸岬)−太平洋側の海岸線を屋根をオープンにして走る。男一人旅、こんなことしてきました〜。
AM9:00 那覇国際通り沿いにあるレンタカーやで
ロードスター(NB8)を借りる。
それにしても、那覇の道は混んでいる、バスレーンがある、運転が荒い、三拍子でいつも運転するのが嫌になる。
国際通りはいつ来ても店の質も変わらない。
ここはいろんなものがあって活気がとてもあるし、コザなどが没落してからは沖縄一の繁華街。裏道などを歩くと、沖縄らしくて面白い。

でも、観光客相手にいつまでたっても同じ質のものばかり売っているから、正直僕は飽きた。いろんな自然の幸を売っている公設市場もぼったくりだから、地元の人はあまり買い物をしない。観光収入が減っているのも、充分理解できる。

天候はあいにく曇り。でも半そでで充分。
ロードスターをレンタカーで借りると、20%OFFのクーポンを使っても8時間11,000円、デミオの倍だ。
もともとオープンカーはあまり出回ってないが、リゾートで乗るには気持ちがいい。この値段もある意味仕方はない。

ボクは普段はステーションワゴンに乗っている。でも、走ることが面白くない。
「人馬一体」をコンセプトにしたロードスターは、人と車が一体になって走ることを楽しむこと、を大切にしている。
「小さい」のではなく、「無駄がない」のだろう。走ることに喜びを求めるとき、大きな荷室や過剰なパワーはきっと、ただの負担にしかならない。
だからボクは多少高くてもあえてこの車を選んだ。
これが今回ともに旅をしてくれるロードスター。
シルバーっていいねえ。

那覇を抜けてすぐに沖縄自動車道に入り、一路自動車道の終点で本部半島の付け根の「許田」を目指す。
58号線をひたすら北上するのもビーチやいろんな部落、自然、基地がみられて飽きないが、時間がかかるのと以前やったことがあるので今回はパス。
あくまで北部半周を目指す。
自動車道は空いていて、80キロ制限のところをみな100キロ以上で走っている。
俺は90キロで走った。
途中、屋嘉あたりで太平洋側と東シナ海川が一望でききれいだったけど、雨が降ってきた…。

途中、サービスエリアで沖縄そばの朝ごはん。
「許田」から国道58号、県道84号に入り海洋博方面へ向かう。この辺りはパイナップル園とかが多いので、観光バスやレンタカーも多い。
コンビニやお店、住宅もあり、これといった趣は感じられない。
平日だからか知らないが、比較的スムーズに流れている。84号から550号に出る。海洋博のほうは行かないで(何回か来てるし)今帰仁(なきじん)というところにある城跡に向かう。この辺りに来て、だんだんとローカルな部落の雰囲気が出てくる。
そして、550号からそれて車の行きかわない丘を登っていく。すると、石垣が積み上げられた今帰仁城が見えてきたー
11:30、今帰仁城に着く。
150円ぐらいの観覧料を払っていざ中へ入る。
…正直、すごい!首里城を見るより、よっぽどこっちを見たほうが雰囲気を味わうことができるなあ、と思うくらい、大きく、立派で、そしてきれい過ぎなかった。

石が積み上げられた城跡は広大で、歩いてみて回るのに大体30分〜40分くらい。ボクと同じように、一人旅の若い女性なども何人かいた。
この辺りで曇り空に青空が見え始めてきた。
半そでのボクの腕が、少しぴりぴりする。
ボクはロードスターの屋根を開け放って、サングラスをかけた。
ここからは自然を楽しみながら、風を感じていこう。

途中、地元の小学生の男の子たちに手を振られた。
だから、僕も手を振り返した。

550号で本部半島の北側を進み、58号に再度合流してからそのまま沖縄本島の北限を目指す。今回はやんばる野生動物保護センターなどは時間がなくていけそうにないー
12:50
今帰仁城から1時間弱、道の駅大宜味に到着。
沖縄には道の駅が3つあるが、今回はそのうちの二つを訪れる予定だ。

道の駅大宜味は58号線をはさみ、海沿いにある。
八百屋、小さな土産やなどがある。
大して見るものはない、でも、雰囲気はそれなりに味わえる。
ここでさんぴん茶のボトルを購入。

道の駅の向かいの堤防に人が群がっている。何をしているのかと覗き込むと、堤防の向こうには水鳥たちが群がっていた。

人間が投げるえさを必死に追いかけている。
こういうのが良いか悪いかは別として、彼らはとてもかわいかった。
おおぎみを出て海岸線を進む。
車はえてして少ないのだが、3台前をトラックが走っており、ちょっとスピードダウン。
走りは後々にとっておくことにして、いまは風景を楽しむ。

風は海がわから吹き、ぬるく、そしてやわらかい。

でも、これが沖縄の自然の一つのわなだと僕は知っている。
一度嵐がきたら、この風は小さな自然の一部でしかない人間を簡単に拭い去ってしまうから。

途中車を道端に止めて、車を降りずに振り返った。
そこには、今しがた海岸線を走ってきた本部半島の姿がぼんやりと見えていた。
車を止めたことで、ボクの目の前には車がいなくなった。
ゆったりと、そして遅くもなくボクはロードスターを走らせた。
右手にはヤンバルの原生林。
左手には青い海。

車のエンジン音と、かすかにカーステレオが響き、かぜがボクの髪を乱した。

13:05
おおぎみをでてわずか15分。次の道の駅につく。ここは国頭村というところにある。
やはり八百屋と飲食店、土産物屋とちょっとした織物の展示がある。

ここには観光客はあまり来ていないようだ。
大学生ぐらいのグループ1組、中年夫婦一組とであった以外は、八百屋で買い物をする地元の女性たちばかりだった。

おおぎみと近すぎて、なんだかもったいない気がする。
とてもきれいな建物なのに。

ここからはオクマビーチと野生動物保護センターにいける。
でも、主だった観光施設はそこまで。
そこから先は、あまり観光客が行くところではない。
再び海岸線に戻る。
景色は特に代わり映えしないが、無心になってロードスターを駆る。
ハンドリングも、ちょっとした動きに機敏に反応してくれる。

この辺りまで来ると、だいぶ車と通じ合えるようになった。

茅打バンタを過ぎ、長いトンネルを抜ける。
道端にある駐車場に車を止める。
目の前には青い海。
振り返ると、ロードスターの後ろにヤンバル特有の植物と地形に覆われた小高い丘があった。
ここまででもう100`は走っただろうか。
13:40
本島最北端の辺戸岬。
何にもないと聞いていたが、本当に何にもない。
喫茶レストランと土産物屋が一店、後は展望台。

ここからは鹿児島県の与論島が見える。
かつて沖縄が本土復帰をした日、辺戸岬と与論島でそれぞれのろしが上がった。
そうして、本土復帰の喜びを分かち合ったのだという。

観光客は少なかった。

下の写真も辺戸岬の風景
はと?
辺戸岬で友達になった野良猫。
よぼよぼでやせていた。目やにがびっしりついていたが、そばによっても逃げず、
「な〜」
とひと言ないた。

辺戸岬から最北端の部落、「奥部落」まで58号線は続く。
この辺りでは、道はすっかり山道と化す。
車はまったく来ない。もちろん信号もない。
緩やかで、時にはきついカーブの続くアップダウンを、ロードスターのハンドリングを楽しみながら駆けた。
奥部落は静かで、小ぢんまりとした部落だった。スピードダウンしてロードスターを走らせた。5分もたつと、部落の中を通り過ぎた。
観光客はめったに来ないこの部落には、時間の流れを感じさせる生活が今なお営まれているようだったー
奥を過ぎると国道58号線から県道70号線に変わる。
とはいえ、片道一車線ずつあるので、運転は苦ではない。

この道もまた、太平洋に沿って山側を走る山道だ。
時に、河口があり、緩やかな水の流れに出会うことがある。

こういったところにはたいてい小さな部落があって、小学校があったりする。

ボクやキミがせわしない都会で暮らしているとする。
満員電車で揺られている時間、ここで営まれている生活を想像してみてほしい。
どっちが良くてどっちが悪いなんていわない。
でも、きっとキミにもここにある生活の豊かさに気づいてもらえるんじゃないかな。
70号線をしばらく走っていると、後方から見覚えのある車影が近づいてきた。
それは、地元ナンバーのNA6、つまり前のモデルのロードスターだった。
そのNC6はボクの後ろにぴったりとくっついた。
けしてあおっているんじゃない。これはロードスターに乗る人の特権、とでも言おうか、一つのコミュニケーションだ。
まあ、後ろのロードスターはボクのがレンタカーでがっかりしたかもしれない。
それでも、20分近く僕らは距離を保ちながらランデブー走行した。
やがて、信号のある交差点で、そのロードスターは右折していった。
堤防の向こうは、海岸線とも川ともいえぬ風景が広がり、男性が一人魚を釣っていた。
ボクが風景を眺めていると、不思議そうに男性はボクのほうを見ていた。
特に会話することもなく、ボクはロードスターに戻った。
南下し、そろそろ交通量も多くなってくる頃だ。
ボクは329号線にはいると、ロードスターの屋根を閉じた。
この頃はもう16:00くらい。
金武の方を通り、市街地を南下していくが、予想以上に早い渋滞につかまった。

沖縄は電車がない(2002年現在)。だから、車の量は半端じゃない。
渋滞だって半端じゃない。
ボクは町並みを楽しむこともなく、沖縄自動車道に乗った。

那覇に到着したのは、18:00頃だった。
このたびを終えてボクは沖縄本島を一周したことになる。
石垣島や宮古島、西表だっていけるところはすべて回った。
それぞれにそれぞれの雰囲気を持っているんだけど、今回の本島北部のたびもまた感慨深いものとなった。
何かにおわれることもなく、なにに思いをつなぎとめられることなく、ボクは最果てを目指した。

島の最果てでボクは思った。
地の最果て見える島の暮らしの豊かさを。
地の最果てが見える島の暮らしの辛さを。

その中で何が豊かかなんて、そう簡単に見つかるもんじゃない。
でも、豊かなものが自分に芽生えたのだとしたら、それを芽生えさせることが豊かだということかもしれない。
いずれにせよ、ボクが今こうして東京に暮らしているその同じ瞬間、ここにはまったく違う世界も生活もある。
それがすべてで、それが何よりもボクを惹きつけた。ただそれだけかもしれない。

ちなみにこの旅で、ボクはロードスターを買うことを決心したのだった・笑
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